ランドール、歴史を創ったナイフ-1
【ランドール、ナイフ界のレジェンド、アメリカンナイフ】
約200万年前からほとんど変わっていない道具、ナイフ。とはいえ材質や形状は年々変化し、現在に至ります。そのナイフの変化の流れにおいて重要な役割を担ったナイフがいくつかあります。
そのひとつが「ランドール」ナイフです。
主要なナイフブランドといえばヨーロッパが多かった当時、ランドール以前はこれぞアメリカのナイフだ!と言えるナイフがありませんでした。
ランドールは現存するシースナイフのさまざまな形をラインナップし、
用途別に系統立ててまとめた初めてのメーカーであり、そのナイフの素晴らしさから
初めてアメリカンナイフと呼ばれたナイフなのです。
アメリカンナイフの基礎を創ったといっても過言ではありません。
スミソニアン博物館にランドールナイフが展示されていることからもランドールの偉大さが分かります。
レザーワッシャー、ナロータングのハンドルを確立したのもランドールです。
また、映画で有名になって憧れた人も多い
ランボーナイフについて、ランドールのモデル18「
アタックサバイバル」の影響を受けたことが見て取れます。これは一例ですが、後のナイフメーカーに多大な影響を与えました。
【賞賛される切れ味】
現在のナイフはランドールの後、
ラブレスによって発案されたストック&リムーバル、つまり鋼材の板を切り抜いて形にする方法で作られるものが殆どになりましたが、
ランドールは創業から現在においても変わらず鍛造での制作を続けています。
鍛造…つまり日本刀のように鉄の塊を炉に入れてハンマーで打ち付けながら形造る製法です。
鋼材は同じ鋼材でも焼入れの精度などでその品質が大きく変わりますが、鍛造に至っては全く別の鋼材になるといっても過言ではありません。多くのユーザーが素晴らしいと賞賛する
その鍛造によるランドールナイフの切れ味もまたランドールをレジェンドと言わしめる理由のひとつです。
手造りでありながら量産するスタイルのランドールナイフは、それまで手作り(カスタム)か工場生産(ファクトリー)しかなかったナイフ業界に
セミカスタムというジャンルを創り出しました。
※ランドールの切れ味は非常に賞賛されていますが、初期の刃付けのままではあまり切れません。あくまで研いだときの切れ味がすごいということです。
【ステンレスの鍛造ナイフ】
特筆すべきはステンレス製のランドールについても鍛造されているということです。
ステンレスは鋼よりも鍛造することが難しい為、現在も販売されているというのはランドール以外には思いつきません。O-1鋼モデルの方が人気はありますが、ステンレス製はもっと注目されても良いはずのモデルといえます。
【手に入れることが難しい】
1938年に設立した同社は現在も残っていますが、バックオーダーが多すぎるためにオーダーしても出来てこないメーカー、また手に入れることが難しいナイフとして有名です。
販売されている時を見計らってご注文ください。
>>ランドールナイフはこちら
ランドール
Randall Made Knives -Orlando Florida
1938年 設立
1940 カタログ公開
1941-1944 第二次世界大戦においてモデル1〜3のランドールナイフが軍に採用される
1945-1948 モデル4〜10を追加
1950-1955 True Magazine 雑誌への掲載など売上げ増
1952 モデル11、アラスカン・スキナーを追加
1953 映画「The Iron Mistress.」の人気からボウイナイフ「アーカンソー・トゥースピック」を生産開始
1954-1959 モデル14〜15などのミリタリースタイルを含む多くのモデルを追加
1960-1963 宇宙飛行士が携帯するナイフとしてNASAから委託され、モデル17「アストロ」を生産
1965-1967 ベトナム戦争に伴い、モデル18「サバイバル」を開発
1960- ミニチュアを含む多くのモデルが再設計される
1988 50週年記念ナイフの生産
モデル数を徐々に増やしながら当初の製法そのままに現在も製造を続けランドールは80週年を迎えています。